Lupophone(ルポフォン) ~ 貴重なCD音源を聴いた感想
以前演奏したアルプス交響曲ではヘッケルフォーンが指定されていましたが、その関連楽器にLupophone(ルポフォン)があります。珍しいその楽器のCDが発売されたので聴いた音の感想を書きます。
2026/08/19 文章を改善しました。
Lupophoneについて
Lupophoneとは聞き慣れない楽器名ですが、Wolf社によるBass OboeやHeckelphoneの改良型の楽器です。
Wolf社はContraforteやバロックファゴットなどの古楽器や子供用楽器、私も所有しているFagottino等の珍しい楽器も製作している意欲的なメーカーです。
Lupophoneはアルプス交響曲で指定されるヘッケルフォーンの譜面に最低より低い音が出てくる問題、ヘッケルフォーンの管が長すぎて吹きづらい問題などを解決すべく開発された新しい楽器です。
そのCDが発売されていてずっと気になっていたので先日購入して早速聴いてみました!
・CD「ルポフォン~新種のバス・オーボエの可能性に迫る~/加納律子 他」
Lupophoneの音色の感想
ルポフォンの音色の感想は、
イングリッシュホルン、バスオーボエの芯の鋭さを緩和したソフトでふわっとした音色だと感じました。バスオーボエより音が太くてエネルギーがあり、豊かで柔らかい大きな響きをまとっています。二者を比べるとバスオーボエが相対的に素朴な民族的な音色に思えるぐらいです。
ヘッケルフォーンに良く似ていますがそれほど芯が強くなく、さらに柔らかい気がします(但しリード次第?)。ヘッケルフォーンほどはガリガリいわない印象です(解説記載のリードが小さい影響かも)。
高いA以上の音がクラシカル(ジャズ系でない)のサクソフォーンによく似ている印象で、特に開放運指ほどサックスに近いです。キーを閉じるほど独特の木質的な厚い響きで「ターロガトー」のようなカラーも感じられます。
強めに表情をつけるとサクソフォーンのような濁音感が少しだけ現れています。ファゴットより芯は強くて存在感、主体性が強いです。構造や音域が近いファゴットとは印象が全く異なります。
短くまとめると、
- オーボエ属の低い楽器とサクソフォーンの中間
- ダイナミクスを押さえた細めの音の上品なアルト、テナーサックス
- 音域が近いファゴットとは全くの別物
言葉での表現は難しいのですがこんな感じでイメージできますでしょうか…。オーボエの鋭いイメージとは違った、ふわっとした優美でダイナミックな響きが魅力的なテノール音域の楽器という感じです。
不思議なのは高音域はどこかサクソフォーンに近い音色感であることです。楽器の管がある程度の太さがあるので、シングルリード的な音色になっているのかもしれませんね。
終わりに
バスオーボエ自体もあまり聴く機会がない貴重な楽器ですが、それらのデュオがあってとても貴重なCD音源でした。日本にどのぐらいあるのか分かりませんが、いつかアルプス交響曲でのLupophoneを聴いてみたいです。
P.S. せっかく持っているFagottinoも何か活かしたい…と刺激にもなりました。
【追記】Lupophoneを解説しているYouTube動画を見つけました。
■Lupophone: the World's Lowest Oboe
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2026/09/07











開発者はWolf つまり「オオカミ」
ラテン語でオオカミはlupus です。
イギリスの思想家ホッブスThomas Hobbes 1588-1679 に「人間は人間にとってオオカミである」Homo homini lupus. という言葉があります。