「ファゴット」と「バソン」の違い

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「ファゴット」と「バソン」の違いは何か?

私は管弦楽や吹奏楽でファゴットを吹いており、いつしかバソンにも興味を持つようになりました(追記:後に購入しました)。私の分かる範囲でファゴットとバソンの違いについてまとめました。

・ファゴット(左)とバソン(右)/diary_picture/201211/0012.jpg



はじめに

「ファゴット」と「バソン」の違いは何か?

両者とも「ファゴット」という言葉でイメージするようなあの細長い木管低音楽器ですが、ファゴットはドイツ式(ヘッケル式)の楽器、バソンはフランス式(ビュッフェ式)の楽器です。

・ファゴット(左)とバソン(右)/diary_picture/201211/0012.jpg

パソコンでいうWindowsとMacのような関係ともいえます。現在ではドイツ式(ヘッケル式)のファゴットがほとんどで、バソンはめったに見かけることができません。その事情については、「のだめカンタービレ」でも紹介されていた通りです。

では二者の違いについて私の分かる範囲で紹介していきます。

材質

【ファゴット】
ヴァイオリン属の裏板・側板と同じメイプル(楓)。主にアルプス産で、比重が軽くて柔らかい。表面は弦楽器同様塗装による着色で、黄色に近い色、こげ茶色、ワインレッドなど様々。表面には光沢がある場合が多いが、光沢のないマットフィニッシュもある。クラリネット・オーボエの黒檀系より寒さに強く割れにくい。/diary_picture/201211/0016.jpg

【バソン】
パリサンダーというローズウッド(紫檀)の仲間で、クラリネット・オーボエのグラナディラ(黒檀)に近い材質。比重が重くて堅い。表面は塗装による着色が無くこげ茶色で光沢なし。メイプルよりは割れやすい。/diary_picture/201211/0017.jpg

このようにまず材質と仕上げからしても全く異なります。見た印象もかなり異なります。

形状

【ファゴット】
管全体的にバソンより太め。ベルは緩やかな曲線を描き、白いリングのついた「ジャーマンベル」が主流だが、金属リングが付いた「フレンチベル」もあり、内径はいずれも開いていない。テナージョイントの膨らみは曲線的。ダブルジョイントにはハンドレスト有り。

【バソン】
管全体的にファゴットよりスリム。ベルは金属リングと段差がついた形状のフレンチベルで、ベル先端の内径は少し開いている。テナージョイントの膨らみは直線的。ダブルジョイントにはハンドレスト無し。ファゴットよりもフラットベンドのボーカルを見かけ率が高い。

・ファゴットとバソンのベル、ボーカル周辺/diary_picture/201211/0013.jpg

ファゴットもバソンを基にしたフレンチベルの楽器があります(FOX、モーレンハウエルなど)。これにより高音域が出しやすくなるとか、音色が柔らかくなるとか言われていますが、真相は不明です。

運指

【ファゴット】
バソンよりキー機構が充実・進化していてくキーが多く、操作は比較的しやすい。ウィスパーキーとC#キーは左手親指側にあり、LowC#とLowD#キーは小指側にある。

【バソン】
ファゴットよりキー機構は若干原始的でキーが少なく、バロックファゴットに近く不規則な補正指もあり操作は比較的難しい。ウィスパーキーとC#キーは左手小指側にあり、ロングジョイントのキーは全て親指で操作する。LowEはキーではなく指孔になっている(中音E等でも押す)。

・ファゴットとバソンの左手親指側/diary_picture/201211/0014.jpg

・ファゴットとバソンの右手親指側/diary_picture/201211/0015.jpg

共にC管であり基本部分はなんとなく同じですが、細かい部分にかなりの違いがあります。また完全なオクターヴキーがない等、他の楽器に比べてあまり合理的に整理された機構でないことは変わりません。



音色

【ファゴット】
柔らかさと響きの太さ、重厚さがある。主体的というより客観的で合奏に調和しやすい。バソンよりも音量やダイナミクス幅は大きい。

【バソン】
柔らかさはあるがファゴットよりも芯が強く、重厚さよりも華やかさのあるソロ向きな音色。主体的な音で合奏では浮き立ちやすい。音量はファゴットよりも小さい。

※2つの動画は同じ曲(サン=サーンス/ファゴットとピアノのためのソナタOp.168)ですので聴き比べてみて下さい。

追加:様々なフレーズをファゴットとバソンで比較した動画
※こちらは近代的なバソンでありファゴットに近い仕様に思えます。



まとめ

ファゴットは響きが豊かで機構が進化し、バソンはソロ向きの音色で構造はより原始的です。このように基本構造は似ているが細かい違いが多い楽器同士、という感じです。

二者の違いはドイツとフランスの文化や考え方の違い、ということなのかもしれません。運指も異なるのでファゴットが吹けてもいきなりバソンが吹けるというわけではなく、別に1から覚えないといけません。リードも異なるようです。

歴史的にはファゴットが選ばれてきたわけですが、優劣というわけではなく、どちらも個性を持った素晴らしい楽器だと思います。近年はファゴットのフレンチベルの導入や、バソンのU字管の改善など、お互いの良い所を取り入れているのが分かります。

ファゴットを吹く時もラヴェルやドビュッシー等フランスの作曲家はバソンを想定して書いていたはずで、そのことを念頭に置いて演奏したり、聴いてみたりすると良いのかもしれません。

日本のバソンの第一人者である小山清先生のバソンのCDを持っていますが、バソンの素朴な音色とファゴットとは異なる表現力も大好きです。いつかはバソンも演奏してみたいです(追記:後に購入しました。下方の関連リンク参照)。

♪小山先生のCDの1つはこちら。視聴もできます。

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【関連リンク】


↓バソンについては「日本バソンの会」のHPをご参照下さい。

【外部リンク】日本バソンの会 公式ホームページ



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Written by みやだい

ファゴット一眼レフ風景写真が好きな「みやだい」です。旅行、猫、「欅櫻」も好きです。


記事へのコメント

コメント(1件)

[1] 白髭隆幸  2020/05/29(金) 05:27

恥ずかしながら5月29日早朝にNHK-BSPで放送された「クラシック倶楽部」で「バソン」の存在を初めて知りました。
柔らかい音のすばらし楽器ですね。
ファゴットとの違いがよくわかり勉強になりました。

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